レーシック手術 失敗しない為に
近視手術ではレーザーの照射中、絞りが徐々に開いていくことで、角膜表面を凹の形に形成します。照射は最初から最後まで、常に角膜の中心に当てるワンショット方式でした。
この方式の問題点は、角膜の中心に強いエネルギーのレーザーが当たり続けるため、熱が発生してしまうことでした。また、その熱が原因で、セントラルアイランドという、中心に矯正の弱い部分ができてしまうことがあったのも欠点です。
また、断面がシングルゾーンになってしまうため、近視度マイナス10Dの場合、約530ミクロンの厚さである角膜部分のミクロンもの深さまで切除してしまうことになり、強度近視の治療には対応できなかったのです。切除深度が必要以上に深くなってしまうと、角膜が薄くなりすぎて前面へ突出してしまい、手術前の視力より悪くなってしまうエクタシア(術後拡張)の誘発の原因になってしまいます。
実際、この第1世代のエキシマレーザーではエクタシアの問題が数多く発生してしまい、切除の深さを必要とする強度の近視をもつ人は、ほとんどの場合に手術の適応外になってしまいました。セントラルアイランドの問題はなくなりましたが、切除部分の断面はシングルゾーンのままだったので第1世代と同じように切除深度が深くなり、強度近視の治療には不向きという問題は残ったままでした。
切除部分がシングルゾーンのままだった理由は、スリット状のレーザーに替わっても依然として絞りによるレーザーのコントロールを行っていたからです。この世代からジョイスティックという眼球の動きを追尾できる機能が登場し、これにより眼球の中心に合わせるセンタリングのずれが減少しました。
コンピューター制御により、点状のレーザーを自由自在に照射できるようになったのが第3世代のエキシマレーザーです。第3世代では絞りを用いず、同じポイントに100分の1秒以上レーザーが照射されないので、熱の上昇はほとんど見られなくなりました。
また、オプティカルゾーンを広くとれるため、術後のハローが現れにくく、セントラルアイランド(角膜中心に矯正されていない部分ができて低矯正となること)ができないことも特徴としてあげられます。切除部の断面も、第3世代でマルチゾーンに変わりました。
現段階における最小の切除深度で、シングルゾーンと比べると半分以下の切除深度で手術が行えます。マルチゾーンでは、角膜を自由かつ正確に形成することが可能です。
ここにきてようやく強度近視の治療ができるようになりました。このように開発、改良が重ねられたエキシマレーザーの進化に伴い、屈折矯正手術そのもののクオリティーが高まってきました。
ですから、手術をどこで受けるかという選択には、その眼科が最新の設備を整えているか、また、器械のメンテナンスをきちんと行っているかなどが、重要なポイントとなります。もちろん、メンテナンスの指示や器械の操作は医師がするものですから、執刀医の経験や知識も重要です。
調節することによって、レーザーのスポットの形やエネルギー量を操作するのですが、レーザーの特徴や扱いなどを知り尽くしていないと難しいことで、長年レーザー手術の経験を重ねてきていないと培われない技術のひとつです。確かにエキシマレーザーの器械は自動化され、マニュアルに沿って簡単に操作することはできます。
人の角膜という視力に最も重要な部分を扱う以上、失敗はできないという責任感を十分に自覚し、常にレーザーと技術を最高に保っておかなければいけないと私は思います。器械のメンテナンスを定期的に行うことは当然のことですが、さらに日常的に器械の調子の良し悪しを把握でき、自分ですぐに処置できるよう、車でいうとメカニックな部分も持ち合わせているべきです。
医師の経験と技術、器械に対する知識と対応力、この2つの分野での専門的な能力を兼ね備えている執刀医こそ、患者さんにとって信頼して手術を任せられる医者といえるのではないでしょうか。Mクリニックでは、これまでの9年間で7000例を超える屈折矯正手術を実施しています。
また、最近になって屈折矯正手術を始めた先生方の中には、PRKの経験がなくレーシックしかできない方もいますが、私のクリニックでは数千例ものPRK手術を実施しました。日本で最多数となっており、またその全ての手術は私自身で執刀いたしました。
96年からはレーシックも開始し、常に最新の設備を揃え、技術改良を重ねています。ハード面ではレーザーのガスをコントロールするシステムをより正確にできるものに替え、レーザーヘッドを精度の高いものにしました。
コンピューターをコントロールするプログラムソフトウェアも随時改良をし、3ヶ月に一度アメリカ・フロリダ州にある会社から技術者を呼びメンテナンスを行っています。他国でこんなにこまかなメンテナンスをし、新しいシステムにも敏感に反応する熱心な顧客は珍しかったようで、株主への誘いがあり、現在はL社のメディカル・ディレクターであり株主にもなっています。
そのお陰で以前よりも新しい設備の情報が早く入るばかりか、一緒に開発もし、常に手術がやりやすく高い正確性と精度が実現できる設備を整えることができるようになりました。3人に1人が近視であるといわれる日本ですが、その全ての人が手術を受けたほうがいいというわけではありません。
誰にでもすぐに手術を施すクリニックがあるらしいのですが、ただ単に「眼鏡が嫌い」「コンタクトレンズを使うのが面倒」という理由で簡単に選択するのはどうかと思います。Mクリニックでは、患者さんにまず行うのは視力検査です。
この段階で眼鏡やコンタクトレンズの方が適していると思われる患者さんには、その方の眼に合った眼鏡やコンタクトレンズの処方をしています。
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